仁保城跡(読み)にほじようあと

日本歴史地名大系 「仁保城跡」の解説

仁保城跡
にほじようあと

[現在地名]南区黄金山

標高二一〇メートル余の仁保島にほじま(黄金山)頂に築かれた山城城主府中ふちゆう(現安芸郡府中町)本拠とした白井氏の庶家。白井氏が仁保島を領したことを示す最古の資料は明応四年(一四九五)一〇月一七日の武田元信判物(「閥閲録」所収白井友之進家文書)で、この時白井光胤は「仁保島海上諸公事」などを元信から安堵された。佐西ささい(現佐伯郡)の厳島神主家、世能せの(現安芸区)海田かいた(現安芸郡海田町)の阿曾沼氏、矢野やの(現安芸区)の野間氏など、広島湾の東西を大内方の勢力が制しているなかで、広島湾頭を扼する仁保城は武田方にとって戦略上きわめて重要な城であった。このため武田・大内両氏の抗争が本格化するにつれ、しばしば合戦の舞台となった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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