人騒(読み)ひとぞめき

精選版 日本国語大辞典 「人騒」の意味・読み・例文・類語

ひと‐ぞめき【人騒】

〘名〙 (形動)
① 人が込み合って騒がしいこと。人の話し声がざわざわすること。また、人騒がせであること。また、そのさま。人のざわめき。
洒落本野路の多和言(1778)「花生にでもたてればまだしもなれど人ぞめきの風雅なれば」
他人事のようにいうこと。また、そのさま。
※洒落本・後編婭意忋思(1802)霰小紋「人そめきながら〈略〉なぜあんな気であったと」

ひと‐さわがし・い【人騒】

〘形口〙 ひとさわがし 〘形シク〙 人の出入りなどがはげしく騒がしい。
※宇津保(970‐999頃)蔵開上「つねに人さはがしかりつれば、きこえざりつるこそ」

ひと‐さわがせ【人騒】

〘名〙 (形動) わけもなく他人を騒がせ、迷惑をかけること。また、そのさま。ひとさわがし。
※別れ霜(1892)〈樋口一葉〉一四「嬢さまは何処へぞお姿が見えぬやうなりと人騒がせするもあり」

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