五性・五姓(読み)ごしょう

精選版 日本国語大辞典 「五性・五姓」の意味・読み・例文・類語

ご‐しょう ‥シャウ【五性・五姓】

〘名〙
① 仏語。
(イ) 法相宗(ほっそうしゅう)で説く、衆生にそなわる先天的な本性としての五つの性質。菩薩定性(ぼさつじょうしょう)(定性菩薩)、独覚定性(定性縁覚)、声聞定性(しょうもんじょうしょう)(定性声聞)、三乗不定性(不定種性)、無性有情(無種性)の五種で、これらは変えることができない先天的限界を示したものとされる。
※一乗要決(1017頃)上「当知。三乗五性。悉帰仏乗。其外無衆生
(ロ) 円覚経に説く五つの種性。如来種性、菩薩種性、二乗種性、凡夫種性、外道種性の五つ。〔円覚経〕
② 五行思想で、人は木火土金水のいずれかをその本性として持つと考える場合、五行を五性という。日本では、五行の相生相剋の順によって、相性(あいしょう)のよしあしがいわれる。ごせい。
読本南総里見八犬伝(1814‐42)三「蟇六うち頷(うなづ)き、仮染(かりそめ)主従にも、五性(ごセウ)の相剋ありとかいへば」

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