五品（読み）ごほん

精選版 日本国語大辞典

ご‐ほん【五品】

〘名〙

① 仏滅後の弟子が得る五種の功徳。また、その功徳を得た僧の位。随喜品、読誦品、説法品、兼行六度品、正行六度品の五つをいう。詳しくは五品弟子位といい、天台宗で説く。

※守護国界章（818）上「以_下法華分別功徳品末明_二本迹流通_一、滅後五品聞経転説起観行成以為_中凡地之首_上」 〔三蔵法数‐二〇〕

② 官位の第五位。中国、三国魏の時に陳群の定めた九品官人法に始まり、日本では五位をいう。

※今昔（1120頃か）九「彼の万余家の内に、五品(ゴホン)たる人、亦、幾か有る」

ご‐ひん【五品】

〘名〙

① 土地の五つの品等をいう。山林、川沢、丘陵、墳衍、原湿。五土。〔地方凡例録（1794）〕

② 江戸末期、万延元年（一八六〇）に制定された「五品江戸廻し」で、当時の主要輸出品の、雑穀、水油、蝋、呉服、生糸をいう。また転じて、主要な物産。

※時事新報‐明治一八年（1885）八月六日「されば先頃上野にて開きし五品共進会の出品中にても」

出典　精選版 日本国語大辞典

世界大百科事典（旧版）内の五品の言及

【五品江戸廻令】より

…1860年5月9日(万延1年閏3月19日)江戸幕府が発した法令。雑穀･水油･蠟･呉服･糸の五品について，荷主が貿易港である横浜へ直送することを禁じ，江戸問屋への売渡しを命じたもの。1859年7月(安政6年6月)の開港後も，幕府は諸国との修好通商条約(安政五ヵ国条約)に定められている自由貿易の実施を妨げるために，さまざまな試みを行ったが，その代表的なものが五品江戸廻令である。…

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出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」