二子城(読み)ふたごじょう

日本の城がわかる事典 「二子城」の解説

ふたごじょう【二子城】

岩手県北上市にあった中世の城。二子城は、室町時代初めに和賀氏が築いて本城としてきた城である。和賀氏は鎌倉時代に和賀郡に封じられ、以来、この地に根を下ろした豪族である。南北朝時代には南朝方に属し、周囲の北朝方の武将と戦い、戦国時代も生き抜いたが、豊臣秀吉小田原攻めの際、和賀氏は参陣しなかったため、その後の奥州仕置で領地居城の二子城を没収された。その後、和賀氏の旧臣が蜂起して城を奪回したが、間もなく蒲生氏郷(がもううじさと)を大将とする豊臣方の大軍に攻められて落城。廃城となった。この城の主郭があったのは八幡神社付近で、曲輪(くるわ)、空堀の跡が残っており、城跡は飛勢(とばせ)城跡公園になっている。JR東北本線村崎野駅から徒歩20分。または東北新幹線・東北本線の北上駅から花巻行きバス20分で二子大門下車。◇飛勢城とも呼ばれる。

出典 講談社日本の城がわかる事典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android