乾燥指数(読み)かんそうしすう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「乾燥指数」の意味・わかりやすい解説

乾燥指数
かんそうしすう

乾燥の度合いを表した気候指数の一つ。フランスの地理学者マルトンヌが考案した。pを年降水量(ミリメートル)、tを年平均気温(℃)とすると、乾燥指数AI=p/(t+10)で表され、AIが5以下では砂漠、10以上になると農業が可能となるが20までは人工灌漑(かんがい)が必要である。30に近づくと森林となる。同様な指数に、ケッペン乾燥限界ソーンスウェートC. W. Thornthwaite(1899―1963)の乾燥係数、ブディコM. I. Budyko(1920―2001)の放射乾燥指数、吉良竜夫(きらたつお)(1919―2011)の乾湿係数などがある。

[深石一夫]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「乾燥指数」の意味・わかりやすい解説

乾燥指数
かんそうしすう
aridity index

気候の乾燥,湿潤の程度を表す指数。フランス人のエマニュエル・ド・マルトンヌによって考案された。P を年降水量(mm),T を年平均気温(℃)としたとき,乾燥指数 I は,IP/(T+10)で表される。乾燥指数は土壌水分指標となるため,植生のみならず土地利用ともよく一致しており,指数が 5以下のとき,砂漠で無河流域に相当する。5~10のとき,外洋に向かっては規則的な河流が認められず,内部の閉塞した盆地内に河流が注ぐ内陸河川地域に相当する。指数 10以上の地方で初めて乾地農業が可能となり,灌漑農業は指数 20のあたりまで行なわれる。指数が 30に近づくと森林が出現する。

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百科事典マイペディア 「乾燥指数」の意味・わかりやすい解説

乾燥指数【かんそうしすう】

気候の乾燥度を示す指数。マルトンヌにより1926年考案された。年降水量をPmm,年平均気温をT℃とすれば乾燥指数IはI=P/(T+10)で表され,10以下を乾燥帯とした。また5以下は無河流域,10以上は乾地耕作可能,20までは灌漑(かんがい)が必要,30以上で森林が現れる。
→関連項目乾燥気候

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