乳房温存療法(読み)ちぶさおんぞんりょうほう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「乳房温存療法」の意味・わかりやすい解説

乳房温存療法
ちぶさおんぞんりょうほう

乳癌の病巣部だけを切除し,乳房をできるだけ残す手術法。以前は再発転移を防ぐため,乳房や胸の筋肉リンパ節まで切除する方法がとられていた。しかし,胸筋をとるとあばら骨が浮出るなどの問題があった。欧米では,乳房切除と比べても治療成績に差はないとする比較試験がきっかけになり,1980年代後半から急速に温存療法が広まった。日本では胸の筋肉は残して乳房は切除する「縮小手術」が全体の6割強を占め,温存療法は1割余りである。患者も手術後の生活の質 (クオリティ・オブ・ライフ) を重視するようになっており,今後日本でも温存療法はふえると思われる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディア 「乳房温存療法」の意味・わかりやすい解説

乳房温存療法【にゅうぼうおんぞんりょうほう】

乳癌(がん)の手術法の一つで,乳房を切除しない術式

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android