乳味(読み)にゅうみ

精選版 日本国語大辞典 「乳味」の意味・読み・例文・類語

にゅう‐み【乳味】

〘名〙
① 乳(ちち)のような味。〔日葡辞書(1603‐04)〕
※羅葡日辞書(1595)「Hippacae〈略〉ウマノ nhǔmiuo(ニュウミヲ)モッテ ツクリタル ケイジョ」
③ 仏語。釈迦一代の教説をたとえて、大般涅槃(だいはんねはん)経が説いた五味の第一番目、牛の乳(ちち)をいう。この比喩を解釈して、天台宗では、釈迦が菩提樹の下で悟りを開き華厳経を説いた二一日間とする。〔元和本下学集(1617)〕 〔天台四教儀

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世界大百科事典(旧版)内の乳味の言及

【味】より

…この五味に,あっさりした味の意の淡味を加えて六味と呼び,さらに渋味と不了味なるものを加えて八味と呼ぶこともあったようである。また,仏教では牛乳からヨーグルト,バター,チーズなどを作っていく過程に比したものであろう,乳味(にゆうみ)から順次に酪味,生酥(しようそ)味,熟酥味と進んで至高の醍醐味にいたるとしてこれを五味と呼び,これによって釈尊一代の教説の推移展開を説明することが行われた。【鈴木 晋一】。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」