也良岬(読み)やらみさき

日本歴史地名大系 「也良岬」の解説

也良岬
やらみさき

能古のこ島の北側の岬。古代―近世には也良崎(也良乃埼)とよばれた。「万葉集」巻一六には「沖つ鳥鴨とふ船の還り来ば也良の崎守早く告げこそ」の一首があり、「也良の崎守」という表現から防人の宿営地があったと思われる。この歌は「筑前国志賀白水郎歌」一〇首のうち一首としてあげられており、左注によると、志賀しか(現東区)の白水郎(海士)荒雄が乗込んだ対馬送粮船が沈没し、荒雄の妻子が悲しんで詠んだ歌だという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の也良岬の言及

【能古島】より

…基盤の古生層の上を古第三紀層,さらに上部を玄武岩がおおい,最高点は195mで,台地状を呈する。北端は也良岬(やらのさき)。古代には防人(さきもり)がおかれ,《万葉集》巻十六に載る歌に,〈沖つ鳥鴨とふ船の還り来(こ)ば也良の崎守早く告げこそ〉とある。…

※「也良岬」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android