之湯(読み)あしのゆ

日本歴史地名大系 「之湯」の解説

之湯
あしのゆ

[現在地名]箱根町芦之湯

中世箱根越の湯坂ゆさか路沿いにある村で、東は底倉そこくら村、西は元箱根もとばこねに通じる。中世には「芦ノ海」(東関紀行)ともよばれていた。弘安三年(一二八〇)関東に下向した飛鳥井雅有の「春能深山路」には「あしのうみの中とて温泉もあり」とあり、この頃にはすでに芦之湯では温泉が湧出していた。「筥根山縁起序」によれば古くから箱根権現の社域内に含まれていたが、元文四年(一七三九)一二月二一日、小田原藩権現との山境をめぐる争論に幕府裁定が下り(「大久保出羽守と箱根権現領山論裁許状」箱根神社旧蔵)、芦之湯は小田原藩領となった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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