久根(読み)くね

日本歴史地名大系 「久根」の解説

久根
くね

中世よりみえる地名佐須さす郡に属するが、南北朝期に久根郡ともみえる。正和元年(一三一二)「佐須郡内くねの村おやき」(「具禰村」とも)栗林のほか、「せさ」(「せき」とも)の畠、「こうときの中いみち」の畠などが、「佐須郡くんし」の「たん三入道西蓮」の領知とされている(同年八月一〇日「某下知状写」一宮峰夫文書)。元弘四年(一三三四)「くね」の「をやうけ」の栗栖が「あんたきねんつかはゝ」に譲られている(同年四月一〇日「つねよし栗栖譲状」内山文書)。建武四年(一三三七)四月一七日の宗妙意書下(斎藤文書)に「くねのこほりつかいしき」(久根郡使職)が、右衛太郎入道(斎藤氏であろう)に安堵された。同職は観応二年(一三五一)にも安堵されたが、諸公事を納めない場合は解任するとしている(同年八月九日「宗宗香書下」同文書)。暦応四年(一三四一)「みなかい」の曾根より南は「うちやま」の「いあみたふ」の重代相伝の地であるので、「くね」から競望しないよう「くねのくんし」らに命じられており(同年七月七日「御代永志書下」内山文書)、郡司職もあった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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