久多村(読み)くたむら

日本歴史地名大系 「久多村」の解説

久多村
くたむら

[現在地名]左京区久多〈かみの町・川合かわい町・しもの町・なかの町・みやの町〉

北に三国みくに(九五九メートル)がそびえ、北西は京都府北桑田きたくわた美山みやま町、西は広河原ひろがわら、南は花背はなせ、東から北にかけて滋賀県の大津市・高島郡朽木くつき村に接する。京都市最北端に位置する山間集落。中央を針畑はりはた川の支流久多川が南流し、中心部で宮谷みやたに川と合して東流、近江に入って安曇あど川に合する。集落はこの川に沿って点在冬期には二メートルを超す豪雪地帯でもある。

久多の名は長承二年(一一三三)七月一二日の明法博士中原明兼勘注(近衛家本知信記裏文書)にみられ、それによれば康平七年(一〇六四)段階には地域内に法成ほうじよう寺領が存在したことが知られる。

慶長一三年(一六〇八)三月五日付の「久多村惣代」が指出した文書(岡田浩佐家文書)には、石高五三九石七斗一升、内訳三宝さんぼう院五五石、鞍馬くらま葛川かつらがわ五石六斗五升、寺領八石、朽木領四七一石六升と記す。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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