乃万名(読み)のうまんみよう

日本歴史地名大系 「乃万名」の解説

乃万名
のうまんみよう

中世の彼杵そのき庄内にあった名。比定地は明らかではない。正和三年(一三一四)一二月一二日の鎮西下知状(尊経閣文庫所蔵文書)に乃万名とみえ、彼杵庄雑掌は、一分小地頭の千綿純西が領家一代一度の惣検注を行わず、また年貢・済物を納入せず、本所が支配する乃万名を押領したとして訴えたが、千綿氏が召文に応じないため、鎮西探題はこれらの実行とともに、乃万名の押領の件では本所進止の証拠が明らかではないとして調査を命じている。同庄雑掌はまた今福定との間でも当名庄用田を押領したなどとして同様の相論となり(正和四年三月二七日「鎮西下知状」尊経閣文庫蔵東福寺文書)、千綿氏・今福氏ともに一分領主として庄内の一部を知行していた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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