中沼村
なかぬまむら
[現在地名]高松町中沼
能登街道に沿い、南は高松村、北は二ッ屋村、東は大海川、西は砂丘を隔てて日本海に面する。能登国羽咋郡に属し、加賀国との境。正保郷帳では高三五〇石余、田方一三町三反余・畑方一〇町余。寛文一〇年（一六七〇）の村御印（中田文書）の草高四〇一石、免五ツ、明暦二年（一六五六）の新田高三石、小物成として山役四一匁・苦竹役四匁、網役二三匁（出来）・鳥役七匁（出来）。寛文一一年の百姓数二四（うち他村からの懸作一）であった（「今浜村次郎右衛門組高免付帳」高松町史史料編）。享保九年（一七二四）の押水組巨細帳（岡部文書）によれば、貞享四年（一六八七）に六五石、元禄一六年（一七〇三）に九〇石の検地引高があり村高二四九石、百姓軒数二四（ほかに他村懸作百姓四人）・頭振軒数一二。
文化三年（一八〇六）の村高二六一石四斗、免は高松新村の開発によって用水が乏しくなり、村高の一部が畑方になったとして寛政一二年（一八〇〇）に五歩引免とされ、文化元年には四歩三ヵ年季引免とされた。百姓家数四五（男一四三・女一二四）、百姓下人男一二・女九、頭振家数一五（男三〇・女二三）、耕作牝馬一二。漁業が行われ、猟船五枚役船一艘・同浅入一枚役船一艘・引網一統・小網二統分の小物成を負担。
中沼村
なかぬまむら
[現在地名]南足柄市中沼
東北を狩川が流れ、西南を流れる和泉川を南隣塚原村境で合し、東は炭焼所村、西は狩野村、北は和田河原村と接する。
天正一八年（一五九〇）三月二〇日の松田直秀判物写（県史三）に「中沼之郷」とあり、塚原村長泉院に郷内五貫文の田地が寄進されている。近世は小田原藩領。寛永初期の小田原領西筋村々高ノ帳記載の石高四四〇石余に対して、天保郷帳では五二五石余に増加している。元文三年（一七三八）の村明細帳（杉本文書）によれば、田方三五町九畝余、畑方二町八反一畝余、用水は狩川・和泉川を用いるが、宝永四年（一七〇七）の富士山噴火後に酒匂川が字押切より流入し狩川と合流した水損場となり、三〇年後になお田畑の約六割が川成・砂埋のままであった。
中沼村
なかぬまむら
[現在地名]小見川町本郷
本郷村に隣接する同村の枝郷。寛文四年（一六六四）の内田正衆領知目録（寛文朱印留）に村名がみえ、下野鹿沼藩領。元禄一三年（一七〇〇）頃の下総国各村級分では本郷村の内と思われ、元禄郷帳にも記載がない。天保郷帳では高一〇〇石。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
