中摩村(読み)なかまむら

日本歴史地名大系 「中摩村」の解説

中摩村
なかまむら

[現在地名]山国町中摩

山国川上流域にあり、東は宮園みやぞの(現耶馬渓町)、西は宇曾うそ村、南は玖珠くす古後こご(現玖珠町)。中間・仲間とも記した。「太宰管内志」は紀伊宇都宮系図をひいて、宇都宮政房は「山田中間ノ祖也、其子成恒太郎昌俊・次中間三郎房俊・下毛郡内三十町昌俊子遠江守政義」と記し、宇都宮氏一族が早くから入部し、中間氏または一ッ戸氏を称した。当村の亀岡かめがおか八幡神社の社記では、地頭友杉民部が鎌倉時代初期に鎌倉鶴岡八幡神を勧請し、中間氏の氏神としたとある。中間氏は大江姓を称したというが、宇都宮氏と大江姓との関係は不詳。天文一三年(一五四四)閏一一月二一日の御料所山国三ヶ郷当御年貢於八屋浦請納引付之事(友枝文書)によれば、溝部みぞべ郷・仲間郷・しもノ郷を山国三ヵ郷と称し、大内氏の直轄地として四五石ほどを山口へ運送している。戦国時代には山国郷内に小郷が出現していたことがわかる。中間氏は年月日未詳某覚書(永弘文書)によれば、弘治三年(一五五七)六月一八日「為山田・仲八屋・如法寺中間退治、田原常陸介親宏来縄郷ニ立」とみえ、山田氏と行動を共にしている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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