中外合弁企業法(読み)ちゅうがいごうべんきぎょうほう

改訂新版 世界大百科事典 「中外合弁企業法」の意味・わかりやすい解説

中外合弁企業法 (ちゅうがいごうべんきぎょうほう)

中国が1979年7月に制定した外国資本との合弁企業法である。1960年以後,外国から借款を受けない方針を一貫して堅持してきた中国は,78年夏から方針を大転換した。78年に60億ドルに及ぶ外国プラントの導入契約とそれに伴う外国収支の大幅赤字のため,外国借款の導入に傾かざるをえなくなったのである。同企業法によると,外国資本の比率は25%以上,最先端技術を中国に持ち込むこと,社長は必ず中国側であることなどが柱となっている。80年9月には,合弁企業の法人所得税法が制定された。それによると,中央政府へ納入分税率は30%,別に地方政府付加税10%。さらに,外国へ送金すれば,送金額の10%の所得税が徴収されることになっている。合弁企業法と並行して動いているのが経済特別区(経済特区)の設置である。香港と隣接する深圳地区や福建省福州の対岸の島が設定された。自力更生政策対極をなす政策である。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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