不寝の番(読み)ネズノバン

デジタル大辞泉 「不寝の番」の意味・読み・例文・類語

ねず‐の‐ばん【寝の番】

一晩じゅう眠らないで番をすること。また、その人。不寝番ふしんばん。ねずばん。
江戸時代遊女屋で、灯火の油などをさしたりしながら、一晩じゅう起きていて火の用心をする者。ねずばん。
廊下には―、多く行灯あんどうを並べ掃除してゐる」〈洒・錦之裏
[類語]夜番夜回り夜警不寝番

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精選版 日本国語大辞典 「不寝の番」の意味・読み・例文・類語

ねず【不寝】 の 番(ばん)

① 一晩中寝ないでいて番をすること。また、その人。ねずの役。ふしんばん。ねずばん。
親長卿記‐文明六年(1474)八月二日「晴、参内、番也、依御用心有不寝番」
咄本・軽口片頬笑(1770)二「其夜はねずの番をして」
遊郭で、一晩中寝ないで楼中を見回る者。客の寝間行灯(あんどん)の油をさしたり、火の世話をしたりする。ねずばん。
※雑俳・柳多留‐初(1765)「五六寸かきたてて行くねずの番」

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