下萌(読み)したもえ

精選版 日本国語大辞典 「下萌」の意味・読み・例文・類語

した‐もえ【下萌】

〘名〙 地中から草の芽が生え出ること。また、その芽。草萌え。《季・春》
※教長集(1178‐80頃)「冬がれし春日ののべのしたもえに若菜つむべき程はきにけり」
俳諧・千代尼句集(1763)乾「下萌や水仙ひとり立しざり」
[補注]「下燃え」と通じることにより、古くは、「つれなし」のような恋に関する語とともに詠まれ、心中ひそかに思い焦がれるさまを暗示することが多い。連歌や俳諧では、恋の趣向はほとんどない。

した‐も・ゆ【下萌】

〘自ヤ下二〙 地中から草の芽が生え出る。土の中から芽が出る。《季・春》
和泉式部集(11C中)上「下もゆる雪間の草のめづらしく我思ふ人にあひみてし哉」
[補注]→「したもえ(下萌)」の補注

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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