上野 朔(読み)ウエノ サク

20世紀日本人名事典 「上野 朔」の解説

上野 朔
ウエノ サク

明治・大正期の政治家 佐賀関町長



生年
弘化4年4月4日(1847年)

没年
昭和8(1933)年2月22日

出生地
豊後国(大分県)

経歴
肥後藩士の子として生まれる。町役場や警察署勤務を経て明治23年に大分県佐賀関町長に就任。5期18年の在職期間中、衰退した佐賀関港再興をはかり、大正2年久原製鉄所の精錬所誘致を決定。しかし、煙害問題が表面化して誘致反対運動が激化したため、3年に町長を辞職し、誘致も一時頓挫した。4年には煙害防止実験に成功した会社側が再び佐賀関への進出をはかり、これに伴って反対派が暴動を起こし、大規模な争乱事件に発展。その間にも上野は、大分県知事に援助を求めるなど誘致に向けた運動に奔走。やがて反対運動も沈静化し、6年には東洋一の大煙突を誇る佐賀関精錬所の操業が開始され、賛否両論を抱えながらも町政発展の基盤となった。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

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