上路村(読み)かみたこじむら

日本歴史地名大系 「上路村」の解説

路村
かみたこじむら

[現在地名]松阪市上蛸路

射和いざわ村の北にあり、東は八太はつた村・下蛸路村に接する。康永三年(一三四四)の法楽寺文書紛失記(京都市田中忠三郎氏蔵文書)に「一、治田壱段 在上道村字乙戸田」と記されている。中世伊勢神宮領が成立し、「神宮雑例集」に「道大蔵山御薗」、「神鳳鈔」に「内宮蛸道大蔵山御薗」とある。当地萩尾はぎおも神宮領であり、「神宮雑例集」「神鳳鈔」「外宮神領目録」に萩尾御園がみえる。道後政所職事(神宮文庫蔵)の永享一一年(一四三九)一二月二日藤波氏貫書状に「代官職事定申」とあるなかに蛸路と記され、櫛田くしだ川の両岸の村々とともに、当地にも道後政所の代官が設置され、室町期における神領支配の要所であったと考えられる。

上路村
あげろむら

[現在地名]青海町上路

市振いちぶりより南東ほぼ三キロの盆地にある。玉の木たまのきからさかい川の西岸越中の大平だいら(現富山県下新川郡朝日町)に至り、境川を渡って支流上路川に沿って上り、市振村の枝村荒沢あらさわを経て上路に通じる。かつてはここから山中を経て橋立はしだて村に通じる道があり、親不知の下路おやしらずのしたみちに対する上路だったと思われる。古くは内川うちかわ村といったという(糸魚川市史)近世には糸魚川藩の口留番所が置かれた。正保国絵図に高二八〇石とある。天和三年郷帳では高二六石五斗余とある。

村の南方、越中国境に白鳥はくちよう(一二八六・九メートル)があり、山名は夏の残雪が白鳥に似ることによるという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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