上沼部村(読み)かみぬまべむら

日本歴史地名大系 「上沼部村」の解説

上沼部村
かみぬまべむら

[現在地名]大田区田園調布でんえんちようふ四―五丁目

石川いしかわ村の西、多摩川左岸に位置する。北東は奥沢おくさわ新田村(現世田谷区)、西は小山おやま(現同上)、南は多摩川を挟んで橘樹たちばな上丸子かみまりこ(現神奈川県川崎市中原区)と境し、南東は下沼部村に続く。村内を西から東へ流れる六郷ろくごう用水の北側は高地、南側は低地で水田。東西にかつての鎌倉街道といわれる小道が貫く(風土記稿)。近世初期の村切り以前、天正一八年(一五九〇)と推定される正月一七日の吉良氏広書状(江戸文書)に「沼部」とみえ、北条氏は江戸摂津守(朝忠)に伊豆下田しもだ(現静岡県下田市)加勢のために出陣するよう命じ、代りに沼部の地は諸役不入の地とすると伝えている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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