上山下郷(読み)じょうざんかきょう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「上山下郷」の意味・わかりやすい解説

上山下郷
じょうざんかきょう

都市の知識青年農村におもむき農業生産に参加する政策あるいは政治運動。就職問題を解決する措置として,1950年代にはすでに始っていた。文革期に経済混乱および大学の停学などによって都会での就職がますます困難になり,政治混乱の収拾や社会治安の影響も大きかったうえ,毛沢東が労働者や農民との結びつきを都市青年の世界観を改造する重要な手段として考えたため,政治運動として大々的に展開された。志願原則とされたが,強制の性格が次第に強くなった。 68年から 78年までの間に全国で 1623万の青年が農村に送られた。文革後半から,一部は病気や業績などの理由によりあるいはそれを口実として都会に戻り,工場への就職や大学進学を果したが,大多数は,「返城」できたのが 79年以後であった。しかも都市に戻っても職が見つからない者も多く,また一部は農民の娘と結婚したため都市に戻れなかった。 80年代初期は,「返城」および職を求める「上山下郷」した青年が社会不安の大きな要素を占めていた。 (→下郷運動 , 下放 )

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