上妻氏(読み)かみづまうじ

改訂新版 世界大百科事典 「上妻氏」の意味・わかりやすい解説

上妻氏 (かみづまうじ)

〈こうづま〉とも読む。中世筑後武家。高木氏,草野氏とも同族という。伝承では藤原道隆の子孫隆宗が筑後守として筑後上妻郡に居したのに始まるというが,正確な事跡は鎌倉初期に上妻家宗幕府より上妻荘・瀬高下荘内の地頭職を与えられた,というのに始まる。草野氏と同じく平家に与同しなかった功によるものであろう。その後鎌倉御家人として活躍するが,倒幕時には上妻荘の一分地頭宮野教心の活動が知られるのみで嫡系の活動については不明である。室町時代,筑後に勢力をのばした豊後大友氏の知遇をうけ,酒井田氏,甘木氏などと上妻郡一揆衆を構成した。文禄年間にいたり立花宗茂の配下に入り,1622年(元和8)に三池郡隈村に100石を与えられた。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の上妻氏の言及

【上妻氏】より

…〈こうづま〉とも読む。中世,筑後の武家。高木氏,草野氏とも同族という。伝承では藤原道隆の子孫隆宗が筑後守として筑後上妻郡に居したのに始まるというが,正確な事跡は鎌倉初期に上妻家宗が幕府より上妻荘・瀬高下荘内の地頭職を与えられた,というのに始まる。草野氏と同じく平家に与同しなかった功によるものであろう。その後鎌倉御家人として活躍するが,倒幕時には上妻荘の一分地頭宮野教心の活動が知られるのみで嫡系の活動については不明である。…

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