一輪も降らず万水も昇らず(読み)いちりんもくだらずばんすいものぼらず

精選版 日本国語大辞典 の解説

いちりん【一輪】 も 降(くだ)らず万水(ばんすい)も昇(のぼ)らず

月は影を落とすだけで地上に降ることなく、水は月を映すだけで天に昇ることがない意で、すべての物は本来の姿を保持することのたとえ。
謡曲・融(1430頃)「一輪も降らず、万水も昇らず、鳥は池辺の樹に宿し、魚は月下の波に伏す」

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