ヴォルムス協約(読み)ヴォルムスきょうやく(英語表記)Wormser Konkordat

山川 世界史小辞典 改訂新版 「ヴォルムス協約」の解説

ヴォルムス協約(ヴォルムスきょうやく)

ドイツ叙任権闘争を一応終結させた宗教協約。1122年,皇帝ハインリヒ5世と教皇カリクストゥス2世との間で結ばれた。司教選挙において,俗権と教権とを概念的に分離し,皇帝側には選挙への親臨,投票分裂の場合の決定権,被選出者への牧杖による俗権の授与を認め,教会側には選挙と叙階の自由,十字架と司教指輪授与による司教職の叙任を認めた。

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旺文社世界史事典 三訂版 「ヴォルムス協約」の解説

ヴォルムス協約
ヴォルムスきょうやく
Wormser Konkordat

1122年,神聖ローマ皇帝ハインリヒ5世と教皇カリクストゥス2世との間に結ばれた宗教協約
1075年以来の聖職叙任権闘争をいちおう終結させた協約。主な内容は,ドイツ以外(イタリアブルグント)の叙任権はローマ教皇が掌握すること,ドイツでは司教選挙に関して,皇帝に選挙への出席と俗権の授与,教皇側に選挙と司教職の叙任権を認めた。この結果,皇帝権は弱化したが,妥協的内容だったため,両者の側に不満が残り,こののちも争いが続いた。

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