ロード海法(読み)ロードかいほう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ロード海法」の意味・わかりやすい解説

ロード海法
ロードかいほう

紀元前3世紀頃,地中海貿易の中心地として知られるロード島で存在したと信じられている海事慣習法で,その原本はいまだ発見されていないが,ローマにおいて承継ないし借用され,ユスチニアヌス法典 (→勅法彙纂 ) のなかに「投荷 (共同海損) に関するロード法」 lex Rhodia de jactuという一章が含まれている。その後8世紀頃,ビザンチン帝国において「偽ロード海法」という私人の編纂になると思われる法書が生れる。これはユスチニアヌス法典および地方慣習法よりなり,法律威厳を加えるためにロード海法と呼称されたものである。

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世界大百科事典(旧版)内のロード海法の言及

【海商法】より

…ヨーロッパの古代において,すでに,地中海沿岸諸国およびその植民地間に世界的な慣習法としての海商法が存在していたとされている。ロード海法lex Rhodia de iactu(前300ころ編纂)が有名である。現在の海商法のなかに存在する投荷という共同海損行為に関する定めが,すでにこの時代に存在していたのである。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」