ロレンツェッティ[兄弟](読み)ロレンツェッティ

百科事典マイペディア の解説

ロレンツェッティ[兄弟]【ロレンツェッティ】

イタリアの画家兄弟。14世紀前半のシエナ派を代表。兄ピエトロPietro Lorenzetti〔1280か1285-1348ころ〕はドゥッチョ・ディ・ブオニンセーニャの影響を受けた厳格で荘厳な作風をもち,劇的表情の表現を追求。代表作にはアッシジサン・フランチェスコ修道院下院の壁画聖母子と聖人たち》(1320年代後半)や《十字架降下》(1320年代)などがある。弟のアンブロージョAmbrogio Lorenzetti〔1290ころ-1348ころ〕はジョットの影響を受け,兄以上に微妙な造形感覚を示し,特にシエナ市庁舎の6面の壁画《善政悪政寓意》(1338年―1339年)は遠近法をとり入れた空間表現で著名

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