日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ロビンソン(Sir Robert Robinson)
ろびんそん
Sir Robert Robinson
(1886―1975)
イギリスの有機化学者。チェスターフィールド州の生まれ。マンチェスター大学でパーキンに学んで、1910年博士号を得、1912年シドニー大学教授。1915年帰国、リバプール大学(~1920)、イギリス染料会社研究所長(~1921)を経てセント・アンドリューズ大学(~1922)、マンチェスター大学(~1928)、ロンドン大学(~1930)、オックスフォード大学(~1955)の教授を歴任。以後はシェル化学会社の重役兼化学顧問を務めた。彼の研究論文は約1000編、その内容はフラボン系・アントシアン系植物色素、アルカロイド、ステロイド関連物質の化学構造解明と合成、有機化学反応の電子論的解析などに及ぶ。アルカロイドのモルヒネ、パパベリン、ナルコチン、ストリキニーネ、ブルシンの構造解明は著名。1947年ノーベル化学賞受賞。イギリス化学会会長(1934~1941)、王立協会会長(1945~1950)も努めた。1953年(昭和28)来日。ピアノ、チェスに長じ、登山家でもあった。
[道家達將]
『菅沢重彦「ロビンソン教授のプロフィール」(『化学と工業』第6巻第9号)』
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