ロドキサンチン

化学辞典 第2版 「ロドキサンチン」の解説

ロドキサンチン
ロドキサンチン
rhodoxanthin

C40H50O2(562.80).カロテノイドの一つ.緑藻のクロレラ松柏(はく)類の植物にかなり広く分布している.鳥類の羽からも単離された.イチイTaxus faccata(イチイ科)の果実中にはやや多量に含まれる.イチイ果実を砕き,メタノールで抽出し,石油ベンジンとメタノールの間の分配を利用して精製する.暗紫色の針状晶.融点219 ℃.λmax 524,489,458 nm(ヘキサン).ピリジン,ベンゼンに可溶,メタノールに難溶,石油エーテルに不溶.[CAS 116-30-3]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のロドキサンチンの言及

【カロチノイド】より

…酸素を含まないもの(炭化水素)と含むもの(アルコール,ケトン,エーテル,アルデヒド,エポキシド,カルボン酸)に大別される。前者はカロチン,リコピン,後者にはルテイン,クリプトキサンチン,ゼアキサンチン,フコキサンチン,ビキシン,ロドキサンチンがある。水に不溶で脂肪を溶かす溶剤によくとけ酸化されやすく不安定。…

【キサントフィル】より

…ホオズキ,トウガラシの実の色,卵黄,魚卵,哺乳類の卵巣の黄体などの色はこの色素による。狭義にはルテインluteinで分子式はC40H56O2であり,水酸基をもつゼアキサンチンzeaxanthin,クリプトキサンチンcryptoxanthin,ケト基を有するロドキサンチンrhodoxanthinなどが知られている。葉緑体に含まれるキサントフィル類は光合成の補助色素として,吸収した光のエネルギーをクロロフィルに伝え光合成の効率を高めている。…

※「ロドキサンチン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」