ルバ諸族(読み)ルバしょぞく(英語表記)Luba peoples

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ルバ諸族」の意味・わかりやすい解説

ルバ諸族
ルバしょぞく
Luba peoples

ルバ族 Balubaともいう。コンゴ民主共和国南東部に広く分布するバンツー語系諸族ルバ=カサイ,ルバ=カタンガ (中央ルバ) ,ルバ=ヘンバなどの下位集団に分れており,共通の歴史と文化により結びついているが,社会組織などは若干異なる。人口約 600万と推定される。採集狩猟のほかに焼畑農耕を行い,とうもろこし,キャッサバを栽培する。ルバ諸族は 16~17世紀にかけてこの一帯にいくつかの王国を築いた。中央ルバでは,父系リニージを最下位の単位とする地域的統治機構をもち,1人の王ムロプウェによって治められた。王権は男系のみを通じて伝えられるブロプウェという神聖な統治能力の概念に基づいており,また祖先崇拝とも強く結びついていた。征服された地方の首長は「大地の主」としてそのままの地位を認められたが,ルバ族の村がその近くに設置され,これらの首長の監視にあたった。ルバ諸王国はその後ルンダ帝国に引継がれたが,ルバ諸族の土地には小規模な首長国やリニージ社会が分立した。ルバ族の村は1本の通りに沿って形成され,いくつかの父系リニージとそれに結びついた従属民とから成っていた。村の長は,各リニージの長との合議により村を運営した。また加入の任意な結社も重要な社会組織である。

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