社会組織（読み）シャカイソシキ（英語表記）social organization

デジタル大辞泉

しゃかい‐そしき〔シヤクワイ‐〕【社会組織】

社会において、人々が何らかの目的をもってつくる一定の結びつきやきまり。また、そのように組織化された集団。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

しゃかい‐そしき シャクヮイ‥【社会組織】

〘名〙 共通の目的を達成するために、一定の規律のもとに結合されている人々の相互依存的な共同様式。

※日本の下層社会（1899）〈横山源之助〉日本の社会運動「経済は有らゆる社会の中心と為り社会組織の基礎を為せるが故のみ」

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日本大百科全書(ニッポニカ)

社会組織
しゃかいそしき
social organization

社会組織とは集団や社会を秩序づけるための組織をいう。いかなる集団も社会も存続するためには一定の秩序としての組織を必要とする。このことをもうすこし詳しく説明すれば、次のようにいうことができる。すなわち、社会組織とは、たとえば職場におけるインフォーマルな仲間集団のように比較的小さな集団から、学校、病院、工場、そして全体社会にまで至る、あらゆる大きさの集団をそれぞれ構成している諸要素ないし諸部分（人、物、情報）が、それぞれ一定の共同の関心ないし目標を追求するために、一定の規則や慣例などに従って、多かれ少なかれ継続性をもって有機的に相互に関係づけられている状態のことである。いいかえれば、集団は人と人との関係から成り立ち、組織は人が行う役割関係から成り立つ。集団は組織によって形成され、秩序づけられている。

　このように社会組織という概念は、対人的な2人関係の維持から、複雑な全体社会の維持のためのメカニズムとして用いられる。しかしとくに重要なことは、大きさの大小にかかわらず、集団や社会の存続を可能にする社会組織は、その集団や社会を構成している人々の秩序維持への意識的努力に依存しているということである。すなわち、社会組織は自然発生的に成立するものではなく、人々の社会秩序維持への意図的努力として形成されるのである。もちろん社会組織のあり方は集団や社会の大きさ、時代的背景としての文化やテクノロジーなどによって異なってくる。とりわけ現代社会の社会組織のあり方はテクノロジー・システム（とりわけコンピュータ・ネットワーク）のあり方に大きく影響を受けている。

［佐藤慶幸］

『C・H・クーリー著、大橋幸・菊池美代志訳『現代社会学大系4　社会組織論』（1970・青木書店）』

[参照項目] | 組織

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

社会組織
しゃかいそしき
social organization

一定の目的のため社会成員の活動が，機能遂行上一定の形式において配置されることにより成立する組織。しかし単に成員の配置だけでなく，さらに専門分化の原則と秩序維持のための社会統制が必要となる。 M.ウェーバーは管理的幹部の専門化により，指導者と被指導者との分離などのいわゆる階統制成立の事実を指摘している。このようにして，一定の成員の相互間の慣習的共同関係を基盤としつつ，一定の目的に向って階統的 (ハイラーキカル) に人々を配置する特別な機構をもっているのが社会組織といえる。

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