日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ラッセル(Eric Frank Russell)
らっせる
Eric Frank Russell
(1905―1978)
イギリスのSF作家。1931年以来、イギリス本国よりもアメリカの雑誌での活躍が多く、アメリカ人以上にアメリカナイズされた作風の持ち主。処女長編『超生命バイトン』を39年、『アンノウン』vnknown誌の創刊号に発表して一流作家の仲間入りをした。これは従来の地球侵略テーマを一歩進めて、人類が実は他の高等生物の家畜であったというプロットで、最初の「人類家畜テーマ」のSFである。このほかに地球侵略テーマの『金星の尖兵(せんぺい)』(1955)、SFスパイ小説『宇宙のウィリーズ』(1958)、スペース・オペラ『大いなる爆発』(1962)などの長編があり、短編にはユーモラスなものに優れたものが多い。
[厚木 淳]
『井上一夫訳『金星の尖兵』(創元推理文庫)』