ヤング(Brigham Young)(読み)やんぐ(英語表記)Brigham Young

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ヤング(Brigham Young)
やんぐ
Brigham Young
(1801―1877)

アメリカの宗教家。末日聖徒キリスト教会(モルモン教会)の2代目指導者。1823年にメソジストとなるが、その後モルモン書を集中的に研究し、32年に信者となる。44年天使モロニーの啓示を受けてモルモン教を創唱したスミス死後、教派の分裂を避け、安住の地を求めて西部移住を実行。現在のユタ州ソルト・レーク・シティに「地上の天国」を建設することに成功した。科学的町づくり、自己充足の経済生活、農業に基づく文化の促進などを具体化し、その卓越した組織力はスミス以上といわれている。1857年モルモン教への脅威から政府がユタへ軍隊を派遣。これに対し、最初は挑戦したが、翌年政治力によって政府と和解し、モルモン教を守った。一夫多妻、その他の罪で捕らえられたこともあったが、影響力は死ぬまで続いた。

[野村文子]

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