モルドヴィア地方の教会群(読み)モルドヴィアちほうのきょうかいぐん

世界遺産詳解 の解説

モルドヴィアちほうのきょうかいぐん【モルドヴィア地方の教会群】

1993年に登録、2010年に登録内容が変更されたルーマニアの世界遺産(文化遺産)。同国北部、モルドヴィア(モルドバ)地方にあるスチャヴァ、モルドヴィツァ、ヴォロネツなど8つの修道院にある8つの教会を指す。15~16世紀、オスマン・トルコとの戦いを続けていたモルドヴィア公国は、大きな戦いに勝利するたびに、それを記念して首都スチャヴァ近郊の山奥に教会を建てた。自然の中に溶け込んだこれらの教会は、内部だけでなく外壁にも、聖書の物語や聖人の生涯を描いた後期ビザンチン様式のフレスコ画が施されている。力強い描線と豊かな色彩をもつフレスコ画で覆われた教会は、建物を含めて中世モルドヴィア美術の最高傑作と言われている。これらの壁画は、約450年を経た今日でも、極彩色の鮮やかさを保ち続けている。このような魅力が評価され、世界遺産に登録された。2010年に修道院が1つ追加登録された。◇英名はChurches of Moldavia

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

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