ミストラル(風)(読み)みすとらる(英語表記)mistral

翻訳|mistral

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミストラル(風)」の意味・わかりやすい解説

ミストラル(風)
みすとらる
mistral

フランスのローヌ川沿いに、リヨン湾まで吹き込んでいく北寄りの強風。下降流と、狭い谷間に吹き寄せられること(噴流効果という)によって強くなり、スコール性、寒冷、乾燥した風である。ローヌ川のデルタ地帯のプロバンス地方からの北西風と、デュランスの谷からの北東風が合流する付近でもっとも強くなる。一般にミストラル低気圧ティレニア海もしくはジェノバ湾にあり、高気圧がアゾレスから中部フランスに進んでくるときに吹く。ミストラルは吹き始めると途中でひと休みしながら数日間勢力を保つときがあり、マルセイユでは年間におよそ100日この風が吹く。

根本順吉

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例