マーチン

化学辞典 第2版 「マーチン」の解説

マーチン
マーチン
Martin, Archer John Porter

イギリス生化学者.ロンドンに生まれる.1932年ケンブリッジ大学卒業後,同大学の栄養研究所でビタミンEの抽出分離を研究.1938年リーズの羊毛工業研究所に移り,R.L.M. Synge(シング)と共同してアミノ酸の分離法を研究し,1941年に水を飽和させたシリカゲルカラムにクロロホルムを流下させる分配クロマトグラフィーを考案した.さらに1944年には,セルロース(沪紙)を担体とし,ニンヒドリンでアミノ酸を発色させるペーパークロマトグラフィーを完成させた.これらはきわめて有効な微量分析法として,生化学をはじめとする多くの分野で活用され,1952年Syngeとともにノーベル化学賞を受賞.1946年ブーツ製薬会社,1948年国立医学研究所に移り,1952年10年前に予言した分配ガスクロマトグラフィーをA.T. Jamesと協力して実現し,今日の微量分析法の基礎を築いた.アボッツベリ研究所,ウェルカム研究所,サセックス大学,ヒューストン大学教授などを歴任した.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報