マルチコーティング(読み)まるちこおていんく,まるちこーてぃんぐ

デジタル大辞泉 「マルチコーティング」の意味・読み・例文・類語

マルチコーティング(multicoating)

カメラ望遠鏡レンズ表面に、反射防止のためのコーティングを何層も重ねて蒸着すること。光の透過率を高めたり、フレアゴースト原因となる内面反射を抑えたりする役割がある。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

カメラマン写真用語辞典 「マルチコーティング」の解説

マルチコーティング

 レンズの表面には、通常、コーティングと呼ばれる反射防止膜が蒸着されている。最初はフッ化マグネシウムなどの層をコーティングしていたが、旧ミノルタが2種類の層を重ねて蒸着する「アクロマチックコーティング」を開発。これによって、レンズの表面反射が大幅に減り、透過率が増えたために、レンズ表面が緑色に見えた。また、カール ツァイスはそれ以上の層をコーティングする技術を戦前から持っていた。その後、ペンタックスが7層ものコーティング膜を蒸着する「スーパーマルチコーティング」(SMC)、カール ツァイスが独自の色再現をするT*コーティングなどを開発。汚れのつきにくい、撥水・撥油性能までもつレンズも現れている。いまではマルチコーティング=多層膜コーティングは常識になっている。

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