日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
マイヤー(Adolf Meyer)
まいやー
Adolf Meyer
(1866―1950)
アメリカの精神病学者。スイスのチューリヒ近くニーダーワイニンゲン生まれ。1889年チューリヒ大学を卒業。のちパリ、ロンドン、エジンバラ、ウィーン、ベルリンに遊学し、1892年「2~3の爬虫(はちゅう)類の前脳について」で学位を得た。同年アメリカに渡り、シカゴ大学助手となり、1904年コーネル大学教授、1910年ジョンズ・ホプキンズ大学教授、1913年ジョンズ・ホプキンズ病院ヘンリー・フィップス精神病診療所長に就任。精神生物学説に基づく行動主義と内省との中間の精神学説を主張し、心理現象を、脳幹に発する本能的現象のより高度な、より複雑な昇華と考え、アメリカの精神病学に大きな影響を及ぼした。
[大鳥蘭三郎]