日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ポーター(Rodney Robert Porter)
ぽーたー
Rodney Robert Porter
(1917―1985)
イギリスの生化学者。リバプール近郊のニュートン・ル・ウィロウズで生まれる。1939年リバプール大学を卒業、1940年から1946年まで第二次世界大戦のために兵役についた。1948年ケンブリッジ大学で博士号を取得したのち、1949年から1960年までロンドンの国立医学研究所で研究に従事した。その間、セントメリー病院医学校、ロンドン大学において免疫学の講座を開いている。1967年オックスフォード大学の生化学教授となったが、大学を退職する3週間前の1985年9月6日に交通事故のため死去した。
ケンブリッジ大学時代にF・サンガーのもとでタンパク質化学の研究に着手、抗体の構造の研究を進めた。やがて、免疫グロブリンのうちのIgGがタンパク質分解酵素のパパインによって三つの断片に分かれることを発見、さらに1962年にはIgGのペプチド鎖構造を解明、有名なY字形の分子構造を示した。その後も、多くの免疫グロブリンの化学構造を決定している。1972年「抗体の化学構造に関する発見」により、アメリカのG・M・エーデルマンとともにノーベル医学生理学賞を受賞した。
[編集部]
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