ボニファチウス9世(読み)ボニファチウスきゅうせい(英語表記)Bonifatius IX

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ボニファチウス9世」の意味・わかりやすい解説

ボニファチウス9世
ボニファチウスきゅうせい
Bonifatius IX

[生]1355頃. ナポリ
[没]1404.10.1.ローマ
ナポリ出身の第203代教皇在位 1389~1404)。カトリック教会大分裂の時代,ローマを統治した 2人目の教皇。助祭枢機卿(→カーディナル)と司祭枢機卿を歴任したのち,教皇ウルバヌス6世(在位 1378~89)を継承して登位した。先代ウルバヌス6世の選出は,教皇候補者の正統性をめぐってローマとアビニョンに教皇座が分裂した原因となったが,ボニファチウス9世は教会分裂を政治的問題とみなし,可能なかぎりの資金調達を通じて,対立教皇クレメンス7世(在位 1378~94)と,その後継者ベネディクツス13世(在位 1394~1417)に対抗する同盟を得ようとした。しかし分裂を解決できなかっただけでなく,自身の政治活動のために莫大な資金を調達するという横暴な手段が,対立を深化させた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android