ホール(Sir Peter Reginald Frederick Hall)(読み)ほーる(英語表記)Sir Peter Reginald Frederick Hall

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ホール(Sir Peter Reginald Frederick Hall)
ほーる
Sir Peter Reginald Frederick Hall
(1930―2017)

イギリスの演出家。ケンブリッジ大学在学中、アマチュア劇団の演出を手がけ、1953年以後ウィンザー、ロンドンで本格的活動を始めた。1955年サミュエル・ベケットの『ゴドーを待ちながら』のイギリス初演を果たして注目を集め、1958年にストラトフォードシェークスピア記念劇場の責任者に指名された。1960年芸術監督として活動を開始、劇団名を新たにロイヤル・シェークスピア劇団として、シェークスピアだけでなくハロルド・ピンターなどの現代劇の演出にも才能を発揮した。1968年辞任、1973年ローレンス・オリビエの後を継いでナショナル・シアター(国立劇場)の総監督に就任(~1988)、クリストファ・マーローからピーター・シャファーの『アマデウス』(1979)まで幅広い制作・演出活動を行った。ロイヤル・オペラの演出スタッフでもあり、1983年にはバイロイトの『ニーベルングの指環(ゆびわ)』の演出で話題をまいた。最後の大作は2011年、バースのロイヤルシアターで行われたシェークスピアの『ヘンリー4世』であった。1977年、サーの称号を授与された。

[中野里皓史・大場建治 2019年1月21日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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