バース(英語表記)verse

翻訳|verse

デジタル大辞泉 「バース」の意味・読み・例文・類語

バース(verse)

韻文。詩。
詩の一行。また、詩の節・連。
[類語]うた詩歌韻文詩賦しふ吟詠ポエム詩編叙情詩叙事詩定型詩自由詩バラードソネット新体詩

バース(Randy Bass)

[1954~ ]米国のプロ野球選手。本名、ランディウィリアム=バス。米国メジャーリーグを経て、日本プロ野球の阪神タイガースに入団。昭和60年(1985)と翌年に2年連続で三冠王を獲得した。昭和61年(1986)の打率3割8分9厘は、日本プロ野球史上の最高記録。

バース(Bath)

ロンドンの西約150キロメートルにある都市。紀元前から先住のケルト人が、この地の温泉を信仰の対象としたとされる。ローマ帝国の支配下にあった紀元1世紀には大浴場と神殿が建てられた。その後一時衰退するが、18世紀に飲泉が流行すると、上流階級の保養地として活気を取り戻した。1987年に「バース市街」として世界遺産文化遺産)に登録。

バース(berth)

船舶・列車・旅客機などの棚のようになった寝台。
船の停泊場所。錨地びょうち。また、飛行機の停留場所。
バス・タクシーの発着所

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「バース」の意味・読み・例文・類語

バース

〘名〙 (berth)
① 船や列車などの棚のようになった寝台。
※或る女(1919)〈有島武郎〉前「あなたの寝床(バース)の枕の下に置いときましたから」
② 船舶の停泊場所。
※泥の勲章(1963)〈邦光史郎〉一〇「つまり、タンカー用の船席(バース)なのだ」
③ バス・タクシーの発着所、客待ち所。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「バース」の意味・わかりやすい解説

バース
John Barth
生没年:1930-

アメリカの作家。1960年代から目だち始めた非リアリズム風のアメリカ前衛小説家群の代表的存在。メリーランド州ケンブリッジ双生児の兄妹のひとりとして生まれる。編曲を学ぶつもりで入ったジュリアード音楽院で自分の音楽的才能に見切りをつけ,郷里のジョンズ・ホプキンズ大学でジャーナリズムを専攻。在学中からの小説修業は《水上オペラ》(1956)に結実するが,これは次作《旅路の果て》(1958)と共に虚無思想を小説化した作品。理性で捕らえきれぬ現実の不条理性を把握定着させようとする彼の工夫は,14の作品を集めた《びっくりハウスの迷子》(1968)に集約されているが,植民史を下敷きにしたピカレスク的大作《酔いどれ草の仲買人》(1960)も,技巧の限りを凝らした《山羊少年ジャイルズ》(1966)や《キマイラ》(1972),《レターズ》(1979)も,彼の見定めた現実の姿を小説の形に形象化しようとする力業(トゥール・ド・フォルス)の結果である。ブラック・ユーモアとかポスト・モダニズムとかいう呼称はその力業の特色を語るために評家が貼ったレッテルにほかならない。
執筆者:

バース
Bath

イギリス南西部,エーボン州の都市。ブリストルの南東20km。人口8万(1991)。ローマ時代より温泉地として知られていたが,18世紀に再建されて上流階級の保養地,社交地として同世紀に最も栄えた。この町を社交の中心地としての地位に押し上げたのはナッシュRichard Nash(1674-1762),通称〈だて者ナッシュBeau Nash〉であった。彼は建築家ウッド父子に都市計画をまかせるとともに,劇場,ダンスと賭博のための集会場であるアセンブリー・ルームズなどを建設させた。現在残る建物あるいは町並みの中では,パンプ・ルーム,アセンブリー・ルームズ,ローヤル・クレセントなどが有名である。アセンブリー・ルームズは第2次大戦で破壊されたのち復旧され,現在は衣装博物館となっている。小説家T.G.スモレットをはじめ多くの文人がこの町を訪れ,作品にとり上げたが,とくにジェーン・オースティンは1800年前後のこの町を《ノーサンガー僧院》《説得》(ともに1818)で描いている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バース」の意味・わかりやすい解説

バース
Barth, John

[生]1930.5.27. メリーランド,ケンブリッジ
アメリカの小説家。 1952年ジョンズ・ホプキンズ大学で修士号を得,ペンシルバニア州立大学 (1953~65) ,ニューヨーク州立大学 (65~73) および母校で英文学を講じるかたわら,入念なパロディー,緻密なプロットなどきわめて意識的な手法を用いて,哲学的なテーマを追求する実験的な作品を発表,鋭い風刺と猥雑なユーモアのうちに,ニヒリスティックな人間観を表明する。『水上オペラ』 The Floating Opera (56) ,『旅路の果て』 The End of the Road (58) ,『酔いどれ草の仲買人』 The Sot-Weed Factor (60) ,『キマイラ』 Chimera (72,全米図書賞) ,『レターズ』 Letters (79) ,『サバティカル』 Sabbatical (82) ,短編集『ビックリハウスの迷子』 Lost in the Funhouse (68) など。

バース
Bass,Randy William

[生]1954.3.13. オクラホマ,ロートン
アメリカ合衆国のプロ野球選手。大リーグミネソタ・ツインズ,カンザスシティー・ロイヤルズ,サンディエゴ・パドレスなどに在籍したのち,1983年日本のプロ野球球団阪神タイガースに入団。3年目の 1985年に打率3割5分0厘,54本塁打,134打点で三冠王とセントラルリーグ最優秀選手 MVPを獲得。この活躍で阪神は 21年ぶりにリーグ優勝を果たし,日本シリーズも制覇した。 1986年も日本記録となる打率3割8分9厘で首位打者に輝くなど,2年連続で三冠王となった。 1988年シーズン途中で子供の難病治療のため帰国,そのまま退団した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディア 「バース」の意味・わかりやすい解説

バース

米国の小説家。メリーランド州に生まれる。実験的で斬新な手法の小説を次々と発表し,米国の〈ポスト・モダニズム〉を代表する作家と目されている。主な作品は,虚無主義を扱った《フローティング・オペラ》(1956年)と《旅路の果て》(1958年),18世紀小説のパロディでもある長編《酔いどれ草の仲買人》(1960年),大学のキャンパスを現代世界に見立てた奇想天外な風刺的寓話《山羊少年ジャイルズ》(1966年),書くことについての自意識を前面に押し出した短・中編小説集《びっくりハウスの迷子》(1968年)と《キマイラ》(1972年),それまでのバースの作品の登場人物たちを再登場させる書簡体形式の長編《レターズ》(1979年),作家・教師夫妻の船旅を描いた《サバティカル》(1982年)。
→関連項目アービング

バース

プロ野球選手。米国オクラホマ州生れ。大リーグで6年間プレーしたのち,1983年阪神タイガースに入団。日本の投手に対応したバッティングを確立し,1985年には打率3割5分,54本塁打,134打点という成績で三冠王とMVPを獲得。タイガースの21年ぶりの優勝の立役者となった。翌1986年も打率3割8分9厘,47本塁打,109打点で2年連続の三冠王を獲得したが,1988年,息子の病気治療のため退団し,帰国。1990年大リーグ復帰。
→関連項目三冠王

バース

英国,イングランド南西部,エーボン川に臨む都市。ブリストルの南東約18km。ローマ時代の遺跡があり,18世紀以来温泉保養地として発展。美しい市街地で知られ,英単語で風呂を表す〈バス〉の語源ともいわれる。1987年世界文化遺産に登録。9万人(2001)。

バース

船舶が安全を保つための他船,陸岸との間に残すべき余地をいう。航行中における操船余地,係留中の停泊余地がある。また港湾における係留位置をいう場合もあり,この際長さは船舶の20%,深さは最大喫水の50〜90cm増を必要とする。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界遺産情報 「バース」の解説

バース

バースはロンドンの西140km、イギリス南部のエイヴォン県の街です。ブリテン島南部をローマ人が支配していた1世紀ころに造られた公衆浴場跡が有名で、街の名前がそのままバス(bath)の語源となりました。現在も国内随一の温泉場で、毎日125万リットルのお湯が涌き出ています。バースには、全長180mの三日月型の建物ロイヤル・クレッセントなど18世紀のジョージアン形式の建造物が数多く残っており、街そのものがユネスコの世界遺産に登録されています。

出典 KNT近畿日本ツーリスト(株)世界遺産情報について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「バース」の解説

バース Bass, Randy William

1954- 昭和時代後期のプロ野球選手。
1954年3月13日生まれ。大リーグのツインズなどをへて,昭和58年阪神に入団。一塁手として活躍し,60年三冠王となり,阪神優勝,日本一に貢献。翌年も三冠王となり,3割8分9厘のシーズン最高打率の日本記録をつくる。63年退団。実働6年,通算3割3分7厘,202本塁打。2004年オクラホマ州議会上院議員。オクラホマ州出身。ロートン高卒。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のバースの言及

【ウッド父子】より

…イギリスのパラディオ主義建築家父子で,ロンドンの西方約160km,古代ローマ起源の町バースの都市計画を共同して行った。温泉保養地として再び脚光を浴びたバースの発展を図った有力者に,1727年父ウッドJohn Wood the Elder(1704‐54)が招かれ,クイーン・スクエア(1735),プライアー・パーク(1748),サーカス(円形の連続住宅。…

【シーズン制】より

… この風習はやがてロンドンの社交界に点火する。18世紀の初頭,温泉保養地として知られるバースに王室一家がしばしば訪れるようになると,上流階級の人々もこの地に殺到するようになる。そのシーズンは彼らが所領の見回りから解放される冬であった。…

【アメリカ文学】より

…その過渡期的作家として《裸者と死者》(1948)によって戦争の非人間的機構をあばいたメーラーや,《遠い声,遠い部屋》(1948)により現代にゴシック・ロマンス的雰囲気を再生させた感のあるカポーティがいる。やがてK.ボネガット,J.バース,D.バーセルミ,T.ピンチョンなど,いずれもリアリズムの枠を意識的に破った作家たちが登場する。たとえばバースには,アメリカにおけるリアリズムは伝統を逸脱したものだという意識があり,ポーやメルビルを積極的に受け継ごうとする姿勢がある。…

※「バース」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android