日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ホジキン(Dorothy Mary Crowfoot Hodgkin)
ほじきん
Dorothy Mary Crowfoot Hodgkin
(1910―1994)
イギリスの結晶学者。カイロで生まれる。オックスフォード大学卒業。ケンブリッジ大学でX線結晶学を学び、生理学者A・L・ホジキンのいとこで歴史学者のホジキンThomas Lionel Hodgkin(1910―1982)と結婚する。1947年、女性として初めて王立協会会員に選ばれる。1960年、オックスフォードのソマービル・カレッジ教授。1934年、J・D・バナールとともにX線結晶学の手法を初めてタンパク質に適用し、複雑な生体物質の構造を研究する道を開いた。1947年ペニシリンの構造を解明し、ついでビタミンB12の最初のX線回折像を得、10年間にわたる研究の結果その複雑な構造を究めた。1945年にはヨウ化コレステロールの結晶学的解析に成功、1973年ホルモンとしては最初のインスリンの構造を決定した。これらの業績により1964年ノーベル化学賞を受賞した。
[石館三枝子]
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