ペントステモン(英語表記)Pentstemon; beard tongue

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ペントステモン」の意味・わかりやすい解説

ペントステモン
Pentstemon; beard tongue

ゴマノハグサ科ペントステモン (イワブクロ) 属の総称で,多年草または小低木。北アメリカ,メキシコ,東アジアに約 150種分布し,イワブクロ P. frutescensは同属の唯一の日本産の種で,本州中部から北の高山帯に生じる高山植物である。園芸界で単にペントステモン (またはペンステモン) の名で栽培されているのは,ツリガネヤナギ P. campanulatus; common pentstemon,リンドウツリガネヤナギ P. hartwegiiなど数種である。園芸品種も多く,観賞用として花壇,切り花,鉢植えにされる。葉は上部のものは無柄で,対生または輪生し,上部では互生することもある。夏から秋に,総状または円錐花序を頂生し,赤色,すみれ色,青色白色まれに黄色の美しい花をつける。草丈は 10cm前後の矮性種から,高さ 1m以上になる高性種まである。山岳地帯に自生する種が多く,矮性種は特に高温多湿に弱いため,関東地方以西での栽培はむずかしい。高性種のなかには,比較的強健で日本の夏に耐える品種もある。水はけと日当りのよい環境で育てる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android