ペレ(Auguste Perret)(読み)ぺれ(英語表記)Auguste Perret

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ペレ(Auguste Perret)
ぺれ
Auguste Perret
(1874―1954)

フランスの建築家。ブリュッセルに生まれる。1902年にパリに出て、エコール・デ・ボザールでジュリアン・ガデに学んだのち、弟ギュスターブGustave(1876―1952)と共同で、主としてパリを舞台に活躍した。鉄筋コンクリートの技術的開発に先駆的役割を果たした1人で、コンクリート固有の質感を建築構造のなかに生かして20世紀のフランス建築の立役者となった。初期の作品であるフランクリン街のアパート(1903)はコンクリートの骨組を露出した斬新(ざんしん)な設計によって材料そのものから新しい建築美を引き出している。そのほかパリ、ポンテュー街のガレージ(1905)、シャンゼリゼ劇場(1911~14)などの都市建築のほか、ル・ランシーのノートル・ダム聖堂(1922~24)、モンマニイのサント・テレーズ聖堂(1926)といった宗教建築も手がけた。第二次世界大戦後はル・アーブルの復興などで活躍した。

[濱谷勝也]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例