ベージュ細胞(読み)べーじゅさいぼう

知恵蔵mini 「ベージュ細胞」の解説

ベージュ細胞

正確にはベージュ脂肪細胞、あるいはブライト脂肪細胞。2012年、第3の脂肪細胞としてハーバード大学医学部ダナ・ファーバー癌研究所のブルース・スピーゲルマン博士の研究チームによって単離された。脂肪細胞には、脂肪を蓄積する白色脂肪細胞と、脂肪を燃焼し熱を産生する働きを持つ褐色脂肪細胞が存在している。褐色脂肪細胞には「UCP1」というタンパク質が多く発現しており、UCP1が熱を生み出し、脂肪を燃やし、エネルギーに変える働きをする。ベージュ脂肪細胞はもともとは白色脂肪細胞のようにUCP1の発現が非常に低い細胞が、寒さなどの刺激によりUCP1が高発現する。その際にこの脂肪細胞は褐色脂肪細胞のように熱産生を行うようになり、脂肪を蓄積し、白色脂肪細胞が褐色様の形質を持つようになる。マウスを用いた動物実験において、ベージュ脂肪細胞はイリシンで活性化されることも報告されており、肥満などの治療につながる可能性がある。

(2014-12-12)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

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