ベックマン(Wilhelm Böckmann)(読み)べっくまん(英語表記)Wilhelm Böckmann

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ベックマン(Wilhelm Böckmann)
べっくまん
Wilhelm Böckmann
(1832―1902)

ドイツの建築技術者。ベルリンの高等建築学校に学びエンデと知り合う。二人で西欧および南欧への研究旅行を行ったのち、1860年エンデ‐ベックマン建築事務所を開設し、当時のドイツ建築界を代表する設計組織として銀行、動物園、住宅など広い分野にわたる建築設計を行った。彼は主として構造および経営を担当し、建築実務に優れた能力を発揮した。1886年(明治19)に来日、明治政府の官庁集中計画に参与した。また日本人技師、職工の技術養成のためドイツ留学を斡旋(あっせん)、帰国後は事務所において日本人留学生の指導にもあたるなど近代日本の建築技術発展に大きく貢献した。

[藤原恵洋・村松貞次郎 2018年8月21日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例