ブロック・ブッキング(英語表記)block booking

翻訳|block booking

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブロック・ブッキング」の意味・わかりやすい解説

ブロック・ブッキング
block booking

配給側と興行側で結ばれる映画作品の賃貸協定のうち,劇場側に複数作品の一括予約を強いるものをいう。これによって劇場側は,その地域で特定系統の作品を独占公開でき,また常時,上映番組を確保しておける。しかしその代償に,作品の選択権は放棄しなければならない。つまり,配給作品は良否に関係なく上映していくことを義務づけられる。製作・配給側にとっての最大の利点は,独自の系列館を形成できることで,協約は作品販路を安定化させ,固定観客を獲得するのに大いに役立つ。だが配給側も,番組編成に必要な本数は必ず供給しなければならず,有利な面だけ享受できるわけではない。この場合,番組の補充に追われ,作品の質的低下を招くこともあり,映画史から見ればむしろこれが最も重要な問題であろう。今日の日本では,映画産業自体の退潮や独立プロ作品の急増などで,ブロック・ブッキング制度は大きく後退し,作品本位で上映契約を結ぶフリー・ブッキングが多くなってきている。

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