日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
フレミング(Walter Fleming)
ふれみんぐ
Walter Fleming
(1843―1905)
ドイツの細胞学者。ザクセンベルクに生まれる。ゲッティンゲン大学、チュービンゲン大学およびベルリン大学に学び学位を受け、プラハ大学やキール大学の教授を歴任。細胞分裂、とくに両生類細胞を材料として有糸核分裂について詳細な研究をなし、細胞遺伝学の基礎を築いた。動物染色体を研究するためにオスミック酸(四酸化オスミウム)を含む特有の固定液を開発した。これは「フレミング氏固定液」とよばれ、往時の哺乳(ほにゅう)類、鳥類、両生類などの染色体研究のための固定液として多くの細胞遺伝学者によって愛用された。またフレミングの三重染色法など、細胞形態学や細胞遺伝学研究上のいくつかの方法も考案している。
[吉田俊秀]
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