パス(パラアミノサリチル酸)(読み)ぱす(英語表記)PAS

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

パス(パラアミノサリチル酸)
ぱす
PAS

パラアミノサリチル酸para-aminosalicylic acidの略称抗結核剤。1943年スウェーデンのレーマンJ. Lehmannが50種以上の安息香酸誘導体から抗結核菌作用が強力で毒性の少ない本剤を選び臨床に応用した。当初はナトリウム塩が用いられたが、胃障害のあるところから、カルシウム塩、さらに副作用の少ないアルミノパラアミノサリチル酸カルシウムがよく用いられた。耐性菌発現と、ほかに有効な抗結核剤ができたため、最近では使用量が激減している。

[幸保文治]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android